##自己紹介

こんにちは。 株式会社マーズリンク 代表取締役の市位謙太(Ichii Kenta)です。

マーズリンクは、「観光マーケティングをITの力でアップデートする」ことをミッションに、 地域の魅力をテクノロジーとデザインで発信する観光DXスタートアップです。

特に、移動中の“空白時間”を観光体験に変えるプロダクトや、 食・文化・景観など地域資源を可視化し、消費につなげる仕組みづくりを行っています。

  1. オープニング|“旅ナカ”で迷子になる現代旅行者(0:00〜1:30) 私はYouTubeで複数の観光・地域創生系チャンネルを運営し、旅や交通を日常的に仕事にしています。 今までに50以上の自治体と関わってきて、地方創生の案件も1000件以上マネジメントしてきました。

頻繁に飛行機やフェリーに乗る中で、あることに気づきました。

多くの中型機やLCC、長距離船ではWi-Fiが通じません。 私はいつも忙しく、旅の直前まで予定を立てられず「飛行機の中で調べよう」と思うのですが、 ネットに繋がらないことで、どこに行くべきか、何を食べるべきか分からず旅が失敗するということが何度もありました。

「この“移動中の空白時間”を、旅のスタートに変えられないか?」 そう考えたのが、CabinTimeのはじまりです。

  1. 社会背景|旅の目的地は「交通」ではなく「情報」がつくる(1:30〜2:45) かつての旅行は、「交通手段があるから行く」というものでした。 これは昭和型のパッケージツアーの構造です。

しかし今の旅行者は違います。

SNSで見た景色

YouTubeで見たグルメや人

旅のVlogで感じた“世界観”

共感と情報が、目的地を先につくる時代になりました。 つまり、交通網があるから行くのではなく、情報があるから行くのです。

CabinTimeはその“情報”と出会う瞬間を、移動中=最も集中して自由な時間に届けます。

  1. CabinTimeとは|完全オフライン対応 観光UXプラットフォーム(2:45〜4:00) CabinTimeは、飛行機・フェリー・観光バスなどの移動空間で動作する観光UXプラットフォームです。

🌐 完全オフライン対応なので、Wi-Fiがなくても普通に使えます。

🗺️ 例えば、観光地のマップや動画、グルメ情報、モデルコースなんかも、事前に全部入れておけるんです。

📱 タブレットでもスマホでもOKで、もし通信環境があれば、さらに細かい体験もできます。

🎮 それから、クーポンやミニゲーム、動画広告、ECとの連携もできるようになっています。

航空法など厳しい制限のある環境にも適合するセキュアな構造で、フェリーやバスなどにもそのまま展開可能。 列車などオンライン対応空間では、予約・決済・CRMまで連動します。

  1. Why “食”|グルメが社会を変える力を持っている(4:00〜5:30) 僕が旅をしていて本当に思うのは、「グルメって、人の心も行動も一番動かすパワーがある」ってことなんです。

YouTubeチャンネルの中でも、最もCVRが高いのはガストロノミー系動画です。

昨年訪れたスペイン・サンセバスチャンは、 かつてバスク地方として治安が不安定だった場所です。 でも今は、「タパス」と「チャコリ」っていうスパークリングワインを楽しみに、世界中から人が集まる観光地になってるんですよ。

これは、“食”が社会を変えた例です。

CabinTimeでは、地域の食を「動画×旅ナカ体験」として届け、 旅の目的を“グルメでつくる”動線を設計します。

  1. ビジネスモデル|広告でもなく、メディアでもなく、「行動を生む導線」(5:30〜6:45) CabinTimeのビジネスモデルは、ざっくり言うと3本柱なんです。

まず1つ目は「情報掲載モデル」。自治体とかホテル、飲食店さんが、動画や情報をCabinTimeに投稿できて、それを分析もできる仕組みです。いわゆるBtoBとかBtoG向けですね。

2つ目は「プロモーション&販促連携」。例えば航空券とセットで、飛行機を降りたあとにクーポンを配ったり、現地体験につなげたりできるんです。

3つ目は「EC・予約連携」。地元の特産品を事前に予約したり、現地で体験を買ったり、移動中にそのまま購入できるようになってます。

あと、CabinTimeの中で集まったログデータは、地域のマーケティングツールとしても使えるんですよ。交通会社や自治体にとっては、「移動空間」をお金に変えたり、見える化できる仕組みになってます。

今後の機能として、ガストロノミーツアーなどを企画して、地元の飲食店と提携して展開することなども検討しています。

また、CabinTimeは移動中の体験だけじゃなくて、現地に着いてからの体験も提供することで、しっかりと収入源を確保できるようにしています。たとえば、現地でしか味わえない特別な体験やアクティビティ、地元の人と交流できるイベントなんかも企画して、旅行者がその場で申し込める仕組みを作っていく予定です。こうした「現地体験」の提供も、今後の大きな収益の柱にしていきます。

  1. パーソナライズとAI|”その人の旅”を設計する(6:45〜7:45) CabinTimeでは今後、ChatGPTのような汎用的な対話型AIというよりも、観光分野に特化してファインチューニングしたAIを活用したパーソナライズ機能を本格展開していく予定なんです。

具体的に言うと、旅行者の出発地や目的地、興味のあるカテゴリ(たとえば「グルメ重視」「歴史好き」「インスタ映え重視」など)、さらに過去の行動ログなんかを、観光向けに最適化したAIがしっかり学習してくれるんですよ。

そのデータをもとに、まさに“旅のプロ”みたいなAIが、その人にピッタリのおすすめの店や観光地、動画、体験を移動中にリアルタイムで自動レコメンドしてくれるようになります。

たとえば「今回の旅、特に予定決めてないんだよね」っていう人でも、移動中にAIが提案する情報を見ながら、「あ、これ面白そう!」「これ食べてみたい!」って感じで、自然に旅の行程ができていく――そんなUXを目指してるんです。

つまり、従来の画一的な観光情報じゃなくて、観光に特化したAIが一人一人の好みや行動パターンを理解して、「誰にでも同じ情報」じゃなく、「あなただけの旅の入口」を作ってくれる、そんなイメージですね。

  1. 実績と展開|すでに走り出しているCabinTime(7:45〜9:00) CabinTimeは、すでに以下のような具体的な取り組みを進めています:

🚢 フェリー・観光船: 動画配信や観光企画についてはすでに実施済みです。今後は、CabinTimeのプロダクトが完成し次第、実際の船内での本格展開を予定しています。例えば、船内限定の観光動画や、現地で使えるクーポン配信など、移動中の体験価値を高める仕掛けを準備中です。

🚌 百貨店: 地元の百貨店さんと連携し、地域の特産品やお土産のEC販売を検討しています。旅行者が移動中に気になった商品を、そのままスマホやタブレットから購入できるような仕組みを目指しています。

🏛 地元の飲食店: 地元飲食店との連携も進めていて、例えば「旅ナカ限定メニュー」や「AIおすすめグルメマップ」など、CabinTimeを通じて新しい集客や体験価値を生み出す取り組みを企画中です。

🏙 地方自治体: 地方自治体とは連携協定を結び、地元の観光情報やイベント情報の提供、さらには新しい観光企画の共同提案なども進めています。自治体の公式情報をもとに、信頼性の高い観光コンテンツを旅行者に届ける体制を整えています。

また、今後はCabinTimeのプロダクトが完成したタイミングで、いよいよ航空会社さんへの本格的なアプローチも始めていく予定です。実際の機内での導入や、航空会社との共同企画なども視野に入れて、さらに展開の幅を広げていきます。

  1. クロージング|地域創生・地域経済への貢献

CabinTimeが目指しているのは、従来の「交通機関=ただの移動・時間を消費するだけ」という考え方を根本から変えることです。 これからは、移動中の時間が“ただの待ち時間”ではなく、とても生産的で価値ある時間に生まれ変わります。

交通機関を「地域のハブ」として活用し、移動中に地域の情報や体験を届けることで、 旅行者は移動しながら新しい発見や学び、ワクワクする体験に出会えるようになります。 その積み重ねが、結果として地域への関心や消費を生み出し、地域経済の発展につながっていく―― そんな新しい観光の流れを、CabinTimeはITの力と多様な交通機関との連携で実現していきます。

これからも「移動=時間消費」という常識を覆し、 移動空間を起点に、地域と旅行者をつなぐ新しい価値を生み出していきます。 日本各地の観光や地域経済の未来を、みなさんと一緒に切り拓いていきたいと思っています。