自己紹介

みなさん、こんにちは! マーズリンク株式会社 代表の市位謙太(いちい けんた)です。

僕は大学を卒業後、地域創生とIT、マーケティンの分野でキャリアを積んできました。 これまで全国50以上の自治体や1000社を超える企業と一緒に、観光DXや地域活性のプロジェクトを手がけてきた経験があります。

実は、学生時代に日本全国を自転車で巡ったことがあって、リアルな現地の空気や人の温かさ、地域ごとの魅力を五感で感じてきました。 さらに、今は海外にも月1ペースで出張していて、世界の観光や交通の最新トレンドも日々キャッチしています。

もともと旅や交通が大好きで、現地の人や文化に触れることがライフワークでした。その中で「移動中の空白時間を、もっと価値ある体験に変えたい」という想いが強くなり、マーズリンクを立ち上げ、観光×ITの力で新しい価値を生み出すことに挑戦しています。

普段はYouTubeで観光や地域創生の情報発信もしていて、現場のリアルな声や課題を日々キャッチしています。 また、観光庁や自治体のアドバイザー、各種メディア出演なども多数経験してきました。

僕たちマーズリンクは、「観光マーケティングをITでアップデートする」というミッションを掲げて、 地域の魅力をもっと多くの人に伝えるための観光DXスタートアップです。

特に、移動中の“空白時間”――つまり、飛行機やフェリー、バスに乗っている間の「何もできない時間」を、 ワクワクする観光体験に変えるプロダクトを作っています。 また、食や文化、景観など、地域のいろんな資源を見える化して、 それがちゃんと消費や体験につながる仕組みづくりにも取り組んでいます。

オープニング|“旅ナカ”で迷子になる現代旅行者

僕、実はYouTubeで観光や地域創生のチャンネルも運営していて、 旅や交通の現場に日々どっぷり浸かっています。 これまで50以上の自治体と関わってきて、地方創生の案件も1000件以上マネジメントしてきました。

そんな中で、よく飛行機やフェリーに乗るんですが、あることに気づいたんです。

中型機やLCC、長距離フェリーって、意外とWi-Fiが使えないことが多いんですよね。 僕も忙しくて、旅の直前まで予定が立てられず、「飛行機の中で調べればいいや」と思って乗るんですが、 いざネットが繋がらないと、どこに行くか、何を食べるか分からなくて、旅がうまくいかないことが何度もありました。

「この“移動中の空白時間”を、旅のスタートに変えられないか?」 そう思ったのが、CabinTimeを始めたきっかけです。

社会背景|旅の目的地は「交通」ではなく「情報」がつくる

昔の旅行って、「交通手段があるから行く」っていうのが当たり前でした。 いわゆる昭和のパッケージツアーのイメージですね。

でも、今の旅行者は全然違います。

SNSで見た絶景、YouTubeで見たグルメや現地の人、 旅Vlogで感じた“世界観”――

今は「共感」や「情報」が、旅の目的地を先につくる時代なんです。 つまり、交通網があるから行くんじゃなくて、「行きたい!」と思わせる情報があるから行く。

CabinTimeは、その“情報”と出会う瞬間を、 移動中――つまり一番集中できて自由な時間――に届けることを目指しています。

CabinTimeとは|完全オフライン対応 観光UXプラットフォーム

CabinTimeは、飛行機・フェリー・観光バスなど、いろんな移動空間で使える観光UXプラットフォームです。

ポイントは「完全オフライン対応」。 Wi-Fiがなくても、普通に使えるんです。

例えば、観光地のマップや動画、グルメ情報、モデルコースなんかも、 事前に全部端末に入れておけるので、ネットがなくても安心。

タブレットでもスマホでもOK。 もし通信環境があれば、さらに細かい体験もどんどん広がります。

クーポンやミニゲーム、動画広告、ECとの連携もできるので、 移動中に「ちょっとお得」「ちょっと楽しい」体験もプラスできます。

航空法など厳しい制限がある環境にも対応しているので、 フェリーやバスはもちろん、将来的には列車や新しいモビリティにも展開可能です。

Why “食”|グルメが社会を変える力を持っている

僕が旅をしていて本当に感じるのは、 「グルメって、人の心も行動も一番動かすパワーがある」ということ。

実際、僕のYouTubeチャンネルでも、ガストロノミー系の動画が一番反響が大きいんです。

例えば、去年行ったスペインのサンセバスチャン。 昔は治安が不安定だったバスク地方ですが、 今や「タパス」と「チャコリ(地元のスパークリングワイン)」を楽しみに、 世界中から人が集まる観光地になっています。

まさに“食”が社会を変えた好例です。

CabinTimeでも、地域の食を「動画×旅ナカ体験」として届けて、 旅の目的そのものを“グルメ”でつくる動線を設計しています。

パーソナライズとAI|“その人の旅”を設計する

CabinTimeでは今後、ChatGPTのような汎用的な対話型AIというよりも、 観光分野に特化してファインチューニングしたAIを活用したパーソナライズ機能を本格展開していく予定です。

どういうことかというと、旅行者の出発地や目的地、興味のあるカテゴリ(たとえば「グルメ重視」「歴史好き」「インスタ映え重視」など)、 さらに過去の行動ログなんかを、観光向けに最適化したAIがしっかり学習してくれるんです。

そのデータをもとに、まさに“旅のプロ”みたいなAIが、 その人にピッタリのおすすめの店や観光地、動画、体験を、 移動中にリアルタイムで自動レコメンドしてくれるようになります。

たとえば「今回の旅、特に予定決めてないんだよね」っていう人でも、 移動中にAIが提案する情報を見ながら、「あ、これ面白そう!」「これ食べてみたい!」って感じで、 自然に旅の行程ができていく――そんなUXを目指しています。

つまり、従来の画一的な観光情報じゃなくて、 観光に特化したAIが一人一人の好みや行動パターンを理解して、 「誰にでも同じ情報」じゃなく、「あなただけの旅の入口」を作ってくれる、そんなイメージです。

ビジネスモデル|CabinTimeの収益構造

では、CabinTimeの収益モデルについてご説明します。

CabinTimeは、観光DXを支える“移動空間のプラットフォーム”として、 3本の収益柱と1つの拡張軸によって、スケーラブルかつ多面的なマネタイズを実現しています。


🟨 1つ目は「SaaSライセンスモデル」です。

これは、航空会社やフェリー会社、観光バス、鉄道会社などの交通事業者向けに提供するモデルです。 CabinTimeのアプリ、CMS、管理サーバーをセットで、年間ライセンスとしてご利用いただきます。

例えば、1台あたり年間約100万円。 10隻のフェリーに導入すれば、それだけで年間1,000万円の固定収益が見込めます。

交通事業者にとっては、CabinTimeを“移動中の付加価値サービス”として導入することで、 顧客満足度やブランド力の向上につなげることができます。


🟨 2つ目は「広告モデル」です。

CabinTimeは“移動空間メディア”としての側面も持っています。

自治体や観光地、地元企業、旅行会社などが、 CabinTime内に動画広告や観光PRコンテンツ、特集記事などを出稿できます。

収益の仕組みは、CPM型広告や月額スポンサーシップ。 特に「オフライン空間でターゲティング広告を届けられる」メディアは希少性が高く、 観光系プロモーションと非常に相性の良いモデルです。


🟨 3つ目は「アフィリエイト・送客モデル」です。

ここは、飲食店・観光体験・EC・施設予約などとの連携です。

CabinTime内でおすすめ情報を見た旅行者が、そのまま予約や購入に進めるようにし、 成果報酬型でマージンを得る仕組みです。

たとえば、移動中に「この体験面白そう」「この名物食べたい」と思ったら、 降りた瞬間にそのままアクションできる── “意思決定を旅ナカで起こす”設計が、地域消費と直結するポイントです。

特に、電子チケットやデジタルギフトのような高粗利商材と組み合わせることで、収益性も非常に高まります。


🟩 そして最後の拡張軸が、「データ提供・CRM連携」です。

CabinTimeを通じて蓄積される、旅行者の行動ログや興味関心、回遊傾向などをもとに、 観光地域づくり法人(DMO)や自治体、流通企業向けに観光データダッシュボードとして提供するモデルです。

これにより、「どんな情報が刺さるのか」「どこで決断されたのか」といった観光動態が可視化され、 施策の改善にもつながります。

将来的にはMaaSやPOSデータ、交通系アプリとの連携など、 “旅ナカCRM基盤”としての価値も高まっていきます。


このように、CabinTimeは「アプリで収益を得る」だけでなく、 交通・地域・観光・EC・データ分析の各領域にまたがって、 多層的にマネタイズが可能な観光プラットフォームとして成長できる構造を備えています。

CabinTime──“共創”で旅の体験を変える新しいプラットフォーム

さて、CabinTimeの一番の特徴は、実はアプリそのもの以上に、 いろんな人たちと“共創できるプラットフォーム”でもあります。 どういうことかというと、CabinTimeはただ「旅の情報を届けるアプリ」じゃありません。

CabinTimeの共創スキームは、ただ情報を載せたり広告を出したりするだけではありません。 地域や交通、さまざまな事業者さん、旅行者など、多様なプレイヤーと柔軟に連携できるバリューチェーン型のプラットフォームであることが大きな魅力です。 このバリューチェーンの中に、広告やEC、データ提供、送客など、さまざまなキャッシュポイントを自在に組み込むことができます。 従来の縦割り型ではなく、複数の業界や立場を横断して新しい価値を生み出せるのが、CabinTimeならではの強みです。

🧭 たとえば「旅の前」。 今の旅は、“ルートがあるから行く”のではなく、“情報を見て行きたくなる”時代です。 SNSで見た絶景や、YouTubeで観たローカルグルメ―― 「あれ、自分も体験したい!」と思って人は動きます。 CabinTimeでは、旅行会社やOTA、自治体や観光協会、広告代理店、YouTuberさんたちと一緒に、 「旅ナカで観られる動画」や「地域の魅力発信コンテンツ」を共に作っていくことができます。

✈️ そして「旅ナカ」。 ここがCabinTimeの本領発揮ポイントです。 飛行機やフェリーの中って、正直ヒマですよね?ネットも繋がらないことが多い。 でもCabinTimeがあれば、その時間に動画や地図、グルメ、予約できるコンテンツを楽しめて、 「これ食べたい!」「ここ行ってみよう!」が移動中にどんどん生まれます。 交通事業者さんや飲食店、宿泊施設、体験事業者さんと連携して、 「降りる前に来店・来場が決まっている」理想的な導線も一緒に設計できます。 さらに、百貨店や道の駅さんと組めば、移動中にECで商品を買って、自宅に配送してもらう―― そんな“観光×商業”の新しい流れも作れます。

🛍 そして「旅のあと」。 旅が終わっても、CabinTimeはつながりを持ち続けられます。 旅の思い出をアプリ上で投稿してシェアしたり、 気になった商品を帰ってからECで買い直したり、 旅先を応援するクラファンに参加したり―― こうした仕組みも、地域や事業者と一緒に作っていくことができます。

🤝 つまりCabinTimeは、 ただ情報を載せるだけじゃなくて、 地域や交通、観光、商業など、さまざまなプレーヤーと一緒に「旅の体験そのもの」を共創できるプラットフォームです。

共創スキームによる“旅の目的地”づくり

CabinTimeは、単なるアプリやコンテンツ配信サービスの次のフェーズも考えていまして、 私たちは、地域・交通・事業者と一体となって、「旅の目的地そのもの」を共に創り上げる“共創スキーム”も将来的には検討しています。

具体的には、 🏢 航空会社・船社・交通事業者 🏘️ 自治体・観光協会・地元企業 🍽️ 飲食店・宿泊事業者・文化体験提供者 といった地域の多様なプレイヤーが出資・参画する「MarsLink地域SPC(特別目的会社)」を設立し、 地域全体で新しい観光体験を生み出す仕組みを構築できればと検討しています。

このSPCを通じて、食や宿泊体験をはじめとした旅の目的地そのものの開発や運営なども検討できるかもしれません。

こうした共創スキームは、現在展開している情報掲載・プロモーション・EC連携といった既存のビジネスモデルを土台に、 地域・交通・事業者・旅行者が一体となって“旅の目的地そのもの”を共に創り上げる、新しい観光経済モデルへと進化させていきます。

将来的には、CabinTimeを起点に、地域と旅行者が共に価値を生み出すエコシステムを実現し、 日本各地の観光や地域経済の未来を切り拓いていきたいと考えています。

つまりCabinTimeは、 「旅先の情報を“届ける”」だけでなく、 「地域の新たな魅力を“一緒につくる”」プラットフォームとして、 地域主導型の観光経済モデルを実現していきます。

実績と展開|すでに走り出しているCabinTime

CabinTimeは、すでにいろんな具体的な取り組みを始めています。

🚢 フェリー・観光船: 動画配信や観光企画はすでに実施済み。今後はプロダクトが完成し次第、 実際の船内での本格展開を予定しています。 たとえば、船内限定の観光動画や、現地で使えるクーポン配信など、 移動中の体験価値を高める仕掛けを準備中です。

🚌 百貨店: 地元の百貨店さんと連携し、地域の特産品やお土産のEC販売を検討中。 旅行者が移動中に気になった商品を、そのままスマホやタブレットから購入できる仕組みを目指しています。

🏛 地元の飲食店: 地元飲食店との連携も進めていて、 「旅ナカ限定メニュー」や「AIおすすめグルメマップ」など、 CabinTimeを通じて新しい集客や体験価値を生み出す取り組みを企画中です。

🏙 地方自治体: 地方自治体とは連携協定を結び、地元の観光情報やイベント情報の提供、 新しい観光企画の共同提案なども進めています。 自治体の公式情報をもとに、信頼性の高い観光コンテンツを旅行者に届ける体制を整えています。

また、今後はCabinTimeのプロダクトが完成したタイミングで、 いよいよ航空会社さんへの本格的なアプローチも始めていく予定です。 実際の機内での導入や、航空会社との共同企画なども視野に入れて、 さらに展開の幅を広げていきます。

クロージング|地域創生・地域経済への貢献

CabinTimeが目指しているのは、 従来の「交通機関=ただの移動・時間を消費するだけ」という考え方を根本から変えることです。 これからは、移動中の時間が“ただの待ち時間”ではなく、 とても生産的で価値ある時間に生まれ変わります。

交通機関を「地域のハブ」として活用し、 移動中に地域の情報や体験を届けることで、 旅行者は移動しながら新しい発見や学び、ワクワクする体験に出会えるようになります。 その積み重ねが、結果として地域への関心や消費を生み出し、 地域経済の発展につながっていく―― そんな新しい観光の流れを、CabinTimeはITの力と多様な交通機関との連携で実現していきます。

これからも「移動=時間消費」という常識を覆し、 移動空間を起点に、地域と旅行者をつなぐ新しい価値を生み出していきます。 日本各地の観光や地域経済の未来を、みなさんと一緒に切り拓いていきたいと思っています。

OSAPで目指すゴール

このOSAPでは、CabinTimeを実証から本格導入フェーズへ移行させるための4ヶ月にしたいと考えています。

目指すゴールは大きく5つです。

まずは、プレシリーズAでの資金調達、目標1億円。 営業・開発・実装をスケールさせるための資金基盤を固めます。

次に、自治体との連携拡充。 3自治体以上とMOUまたは共創プロジェクトをつくり、地域観光と移動体験をつなぐモデルケースを構築します。

そして、航空・鉄道・フェリー・長距離バス・ホテルなど主要事業者との関係構築。 導入に向けた交渉や共同開発の接点をつくります。

さらに、フルスタックでのプロダクト完成。 UI/UX・CMS・データ基盤・営業資料までを統合し、いつでも導入できる状態に仕上げます。

最後に、販路拡大と受注獲得。 10件以上の商談、3件以上の導入検討、1件以上の受注を目指し、提案の型を確立していきます。

OSAPの支援を通じて、社会実装に耐えうるプロダクトと営業体制を作りきる4ヶ月にしたいと思います。

OSAPで取り組みたい内容

このOSAPでは、主に3つの取り組みに注力します。

1つ目は、💰プレシリーズAでの資金調達(目標1億円)です。 ピッチ資料や収益モデルを整理し、観光・SaaS領域に強いVC・CVCとの接点を得たいと考えています。

2つ目は、🤝自治体・交通事業者との提携拡充。 CabinTime導入に向けて、関心の高い自治体やDMO、そして航空・フェリー・宿泊事業者との交渉を進めるため、マッチング機会をご支援いただけたら嬉しいです。

3つ目は、🧠AI前提の最小限チームの構築です。 業務委託など、動ける実働パートナーと組むための仕組み作りやノウハウも吸収していきたいと考えています。

この4ヶ月ぜひ、皆さんと共創できれば嬉しいです。よろしくお願いします。