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MarsLink、大阪府熊取町とAI活用の包括連携協定を締結 ── 地域情報を、移動中の判断材料へ

2025年10月31日、大阪府泉南郡熊取町と、大阪・うめきたを拠点とするAIスタートアップ 株式会社MarsLink は、AI活用に関する包括連携協定を締結しました。

MarsLinkが取り組むのは、旅行商品を売ることではありません。地域に存在する情報を、移動中・来訪前・滞在中の人が判断できる形へ整えることです。自治体との連携は、その実装に必要な地域理解、信頼関係、検証フィールドをつくる重要な取り組みです。

連携協定

(左から:株式会社MarsLink 代表取締役 市位謙太、熊取町長 藤原敏司)

包括連携協定とは ── 継続的な信頼関係の構築

包括連携協定とは、自治体と企業などが、特定の一事業だけでなく、複数のテーマで継続的な信頼関係を築いていくための枠組みです。

MarsLinkにとって重要なのは、協定そのものを実績として見せることではありません。自治体、地域事業者、交通・宿泊事業者、住民、来訪者が関わる領域では、AIの技術だけでは前に進みません。地域の文脈を理解し、どの情報を扱い、どのように届け、どのような体験を生むのかを、関係者と継続的に検討する必要があります。

AI活用における自治体連携には、少なくとも三つの意味があります。

  • 地域情報を、住民・来訪者が使える判断材料として整理すること
  • AIの導入を、単発のツール導入ではなく地域の運用設計として考えること
  • 地域側が安心して実証に参加できる信頼関係をつくること

地域情報の課題は、情報不足ではない

地域には、自然、文化、店舗、イベント、公共施設、交通、災害・気象情報、生活情報など、膨大な情報があります。しかし、多くの場合、それらはウェブサイト、SNS、紙媒体、地図、口コミ、交通機関の案内、自治体の発信に分散しています。

来訪者が知りたいのは、単に「何があるか」ではありません。

  • 今の天気で行くべきか
  • 子ども連れ、高齢者、ビジネス利用など、自分の目的に合うか
  • 駅や空港からの動線が分かりやすいか
  • 混雑や営業時間の制約があるか
  • 行かない方がよい選択肢は何か
  • 地域内で次にどこへ動くべきか

つまり、必要なのは情報の量ではなく、状況に応じて判断できる形に整える層です。MarsLinkは、この層をAIでつくることを目指しています。

MarsLinkが自治体連携で検証すること

熊取町との連携では、地域情報をAIで整理し、移動や来訪者体験に接続するための検証を進めます。

主なテーマは次の通りです。

1. 地域情報の構造化

店舗、施設、イベント、交通、自然、文化、公共情報を、AIが扱える形に整理します。重要なのは、情報を一覧化するだけではなく、目的、時間帯、天候、混雑、移動手段、利用者属性と結びつけられる形にすることです。

2. 移動中の意思決定支援

来訪者は、空港、駅、車内、宿泊施設、地域内の移動中に次の行動を決めます。MarsLinkのCabinTimeは、こうした移動・滞在の接点で、天気、交通、地域情報、口コミ、目的を組み合わせ、利用者が安心して次を選べる状態をつくるための初期パッケージとして設計・開発を進めています。

3. 自治体・地域事業者との運用設計

AIが地域情報を扱うには、更新、確認、掲載範囲、表現、責任分界を整理する必要があります。自治体や地域事業者と連携することで、単なるAIチャットではなく、地域の運用に組み込める形を検討します。

4. AIリテラシーと人材育成

地域でAIを使うためには、技術導入だけでなく、自治体職員、地域事業者、住民がAIの得意なこと・不得意なことを理解する必要があります。MarsLinkは、AIリテラシー向上や地域での活用テーマの整理にも取り組みます。

熊取町というフィールド

熊取町は、関西国際空港に近く、都市圏へのアクセスと自然・生活環境が共存する町です。関西国際空港、南大阪、和歌山方面への移動導線の中に位置し、地域内外の人の流れを考えるうえで重要な場所にあります。

移動AIの観点では、地域は単体の目的地ではありません。空港、鉄道、バス、宿泊、飲食、イベント、公共施設とつながる「移動の文脈」の一部です。熊取町との連携は、地域を点ではなく、移動と滞在の流れとして捉えるための実装フィールドになります。

旅行会社ではなく、地域と移動の判断支援へ

MarsLinkは、地域の魅力を単に宣伝する会社ではありません。人が移動するときに必要な情報を、状況認識と意思決定に変えるAIインフラをつくる会社です。

地域にとって重要なのは、来訪者を一方的に呼び込むことだけではありません。混雑を避ける、天候に応じて動線を変える、目的に合う体験を選ぶ、地域内の回遊を自然に生む。こうした判断を支えることが、結果として地域の満足度と消費を高めます。

今後について

CabinTimeおよびJourney Intelligence Platformは、現在、開発・共同検証フェーズです。熊取町との連携を通じて、地域情報、移動、来訪者体験、AIリテラシーを横断する実装テーマを検証していきます。

自治体、交通事業者、宿泊事業者、地域事業者の皆さまと、移動・滞在の意思決定支援に関する共同検証を進めていきます。


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