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なぜ大阪で、移動空間のAIインフラをつくるのか ── MarsLink創業の背景

株式会社MarsLinkは、2025年に大阪・グラングリーン大阪(うめきた)で設立されました。

私たちが取り組むテーマは、移動空間のAIインフラです。飛行機、船舶、鉄道、バス、ホテル、地域をまたぐ移動の時間に、AIが情報・状況認識・意思決定を支援する基盤をつくります。

大阪でこの会社を始めた理由は、偶然ではありません。関西には、移動AIを検証するための現場が高い密度で存在しています。

原点は、行政・地域・交通の現場

代表の市位謙太は、大阪市会議員として8年、行政、地域、公共交通の意思決定に関わってきました。

行政の現場には、資料、統計、計画、制度、地域の声があります。一方で、それらはしばしば別々の場所に存在し、住民、事業者、行政が同じ状況を見て判断できる形にはなっていません。

その後、地方創生マーケティングのFunMakeを通じて、自治体や公共交通機関と連携し、映像、SNS、地域発信を実装してきました。そこで見えてきたのも同じ課題です。

情報は存在する。けれど、人の行動や判断につながる形に整える層が足りない。

MarsLinkは、この課題をAI時代の技術で解き直すために生まれました。

なぜ「移動」なのか

移動中、人は連続して判断しています。

  • 到着後にどの交通手段を選ぶか
  • 雨や混雑がある時に予定をどう変えるか
  • 会食や接待でどの店を選び、どの候補を避けるか
  • 子ども連れ、高齢者、出張者で動線をどう変えるか
  • フェリー到着後、港からホテルや市街地へどう動くか
  • 観光列車の停車時間で、どこまで回れるか

検索、地図、SNS、口コミ、天気、交通情報はすでにあります。問題は、それらが別々の画面に分かれ、最後の判断が利用者の頭の中に残されていることです。

MarsLinkが目指しているのは、情報を増やすことではありません。分断された情報をAIで束ね、現在地、時間、目的、天候、混雑、避けたい体験に合わせて、人が安心して次を選べる状態をつくることです。

なぜ大阪・関西なのか

大阪・関西は、移動AIを実装する場所として非常に強い条件を持っています。

関西国際空港、伊丹空港、神戸空港。新大阪、京都、奈良、神戸を結ぶ鉄道網。瀬戸内海や日本海へ伸びるフェリー航路。京都、大阪、奈良、神戸という世界有数のインバウンド拠点。ホテル、自治体、地域事業者、観光資源が近い距離に集まっています。

移動AIに必要なのは、データだけではありません。空港、港、駅、ホテル、地域、交通事業者、自治体、利用者が交差する実装環境です。

関西には、その環境があります。

飛行機AI、船舶AI、フェリーAI、鉄道AI、旅行AI、インバウンドAIを、別々の市場としてではなく、移動中の意思決定支援という一つの構造で検証できる。これが、MarsLinkが大阪・関西から始める理由です。

CabinTimeは、最初の入口

CabinTimeは、MarsLinkが開発している最初のプロダクトです。

CabinTimeは、機内・船内などの移動空間でJourney AIを導入する初期パッケージとして、現在、設計・開発を進めています。通信が弱い環境でも使えるエッジAIの考え方を取り入れ、到着後の行動、天気、混雑、口コミ、交通、地域情報を、判断できる形に整理することを目指しています。

たとえば、伊丹空港から羽田空港へ向かう時間。到着後に商談や会食がある場合、利用者は機内で次の判断を始めています。

  • 羽田から都心へ向かう交通手段
  • 雨天時の濡れにくい動線
  • 商談後に会話しやすい店
  • 騒がしい口コミが多い候補の除外
  • 二次会候補の距離、雰囲気、料金帯

CabinTimeは、このような移動中の判断を支援する入口です。会社の本体は、移動と滞在の文脈を扱うJourney Intelligence Platformにあります。

技術として何をつくるのか

MarsLinkが取り組む技術は、チャットUIだけではありません。移動空間の意思決定に必要なデータ、文脈、推薦、説明可能性を一つの基盤として設計します。

Journey Graph

空港、駅、ホテル、飲食店、地域、交通、イベント、口コミ、天気、利用者の目的を、移動の流れとして結ぶデータ構造です。

Context Layer

現在地、到着予定、天候、混雑、目的、同行者、避けたい体験を整理し、AIが判断材料をつくるための文脈層です。

Edge Node

機内、船内、山間部、離島など、通信が弱い場所でも最低限の判断支援を続けるためのローカル実行・同期設計です。

Assurance Layer

AIがなぜ薦めるのか、なぜ避けるのか、どの情報を根拠にしたのかを説明する層です。最終判断は人間に残し、人が確認できるAIにします。

移動の意思決定インフラへ

最初の市場には、旅行、観光、交通、地域があります。インバウンドや地域消費も重要です。

しかしMarsLinkが見ている本質は、観光情報の掲載ではありません。移動中の人が持つ情報の分断をAIで整理し、次の行動を判断できる状態にすることです。

これは旅行者にも、出張者にも、交通事業者にも、自治体にも必要な基盤です。

現在のフェーズ

MarsLinkは現在、CabinTimeの開発・共同検証フェーズにあります。

OSAP第19期採択、熊取町との包括連携協定、大学・AI研究者との連携など、実装に向けた関係と検証環境を一つずつ積み上げています。

大阪・関西から、移動AI、飛行機AI、船舶AI、旅行AI、インバウンドAIへ。MarsLinkは、移動空間の情報・状況認識・意思決定を支えるAIインフラを育てていきます。


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